庭園設計/施工・造園/管理・剪定

大きい樹が魅力的だと、その土地を購入し、新築された方からのご依頼でした。樹高10M以上あろうかというアカマツとヤマナラシ(樺科)が二本あり、建築もこの木々を眺められるように大きく開口をとってあります。如何にこの土地を見に来られて「木」にインスピレーションを感じられたのかが伝わってきます。長い年月一度も手が入ってないため、枯れ枝や折れてしまった枝で少しごちゃごちゃとしているので、今後庭木として見られるよう暴れた枝等々を取り除いて欲しいという依頼です。当然、樹形は崩したらダメな話です。

日本の街中においては大きな木は嫌煙され土地が売れれば真っ先に伐採されることが多いですが、このお施主様は「木」に敬意を払い残して大事にしようという想いを強くお持ちでした。その気持ちに深く感銘すると同時に私にこの仕事を与えて頂き、ありがとう!という思いで剪定させていただきました。

自然樹形の木々は素晴らしい/J邸(滋賀県大津市)
↑ 剪定前。枯れ枝や折れた枝が混みあっている。手前がヤマナラシ、奥がアカマツ。

赤松はまだ上りやすいですが、ヤマナラシは樹皮もツルツルしていてかなり危険度が増します。梯子を掛けてあとは素登りしていき命綱をかけて両手が自由になるようにして作業して上から順番に降りていきます。

上る前に「あの枝を切ろう」とか「こういう感じに登っていくと安全かな」等々イメージを頭に叩き込んでから上るようにしています。これはとても重要なことです。何だかボルタリングと似ていますね。違うのは登って降りるだけではなく、作業しなければならない事です。当然ですけど(笑)

自然樹形の木々は素晴らしい/J邸(滋賀県大津市)
↑ 施工中。安全かつ美しく、効率的に。

木の懐に入ってしまうと登る前にイメージしていたものと全然違う見え方になります。外から目線と内から目線が異なるのです。何度も昇り降りしなくても作業できるようになるまでには、やはり経験が必要です。下で落とした枝を片付ける作業も重要な役割で、いいチームワークが無いとはかどりません。

自然樹形の木々は素晴らしい/J邸(滋賀県大津市)
↑ 剪定後。スッキリと美しい樹形になりました。

植木屋さんの仕事は色々有りますが、木の状態を見て技術を注げるのはとっても幸せなことです。木も喜んでいるでしょう。自然樹形でのびのび育った木は本当に雄大で、力があります。土地の事情は色々あるでしょうが、出来るだけ大切にしていきたいと、切に感じるのです。

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Takefumi Ueki

Takefumi Ueki

植木威文(造園家、一級造園技能士) 2010年から植威の代表として、京都・滋賀を中心に日本庭園はもちろん、イングリッシュガーデンの考え方を取り入れたローメンテナンスで自然な風景の庭の施工や、庭園管理を行っている。 趣味はディジュディドゥ(世界最古の木管楽器と言われている)演奏、山菜採りなど。