コラム

植威では、基本的に既製品を使わず、経年劣化ではなく経年変化を楽しむことの出来るお庭や外構を提案しています。今回は、駐車場舗装についてまとめてみました。

駐車場の舗装

駐車場というのは、基本的に道路に面したところに設けられることが多いですね。つまり、敷地の中で一番人目につくところです。街中においては、家の前に駐車場があって、植栽出来る部分はほんのわずかで駐車場の脇や奥。目に入る部分はほとんど駐車場なので、車を置いていない時は、駐車場の舗装が、敷地全体の印象に与える印象も大きいです。
また、面積的にも、2台分で約5m×5m=25㎡と、結構広い面積です。これを、ただ車を停めるためだけと考えるのは、少しもったいない気もします。では、車も停められる庭スペースとして考えてみてはどうでしょう。緑豊かで風合いのある明るい前庭(フロントガーデン)だと、お家の見え方も、ずいぶん違って見えてきます。

駐車場舗装の種類

土間コン(土間コンクリート)

一般的に多い舗装です。モダンな建物によく似あいます。味気ないと感じる方も多いかもしれませんが、土間形状や植栽の取り入れ方を上手くすれば豊かな印象になります。しかし何も考えずに全体的に打ってしまうと、味気なく安っぽい印象になってしまうこともあります。

土間コン洗い出し

植威でよく提案するのが、土間コンクリートに砂利をまいて押えて洗う、土間コン洗い出しです。普通の土間コン鏝仕上げより少しだけ手間賃は上がりますが、少しぼこぼこしているので雨でも滑りにくく、風合いが出やすく、隅っこに苔などが生えても不思議といい味になります。これに色粉を混ぜると土や砂のような色になり、たたき風のさらにナチュラルな風合いになりますが、どうしても工程が増えてしまい、割高になります。しかし、石貼りやタイル貼りよりは手頃です。また、曲線型枠なども可能なので、植栽との馴染みが良くなり、よりナチュラルな庭を演出しやすいです。

植威の外構デザイン~駐車場編~
▲ たたき風土間駐車場(滋賀県大津市)

植威の外構デザイン~駐車場編~
▲ 庭園部分と駐車場部分の仕上げを分けずに、同じたたき風土間仕上げに。(滋賀県大津市)

植威の外構デザイン~駐車場編~
▲ 曲線の型枠で植栽との馴染みを良くした。必要ヶ所には目地をとるが、曲線の土間に目地棒などは入れたくなかったので、切り離して芝目地に。(滋賀県大津市)

砂利安定材+砂利敷

見た目は砂利敷ですが、下に防草シートにハニカムパネルがくっついた砂利安定材を敷いています。こういった製品を使うことで砂利が逃げなくなり、轍や足跡がほとんどできません。砂利敷だけの時より歩行感もすごく良く、車椅子や、ベビーカーでの移動もスムーズになります。また、透水性のある素材なので、水勾配が取りにくい場合なども使いやすいです。砂利敷きのナチュラルであっさりとした仕上げにしたいときはお勧めしますが、表面の砂利は動きますのでタイヤに挟まって道に出るので時々掃除したり、ハニカムが露出してきて気になるようなら少しずつ砂利を足したりという手入れは必要になってきます。費用的には大体、普通の土間コンと同じくらいです。

植威の外構デザイン~駐車場編~
▲ ハニカム構造の砂利安定材「グラベルFIX」拡大図。(滋賀県大津市)

植威の外構デザイン~駐車場編~
▲ 砂利安定材+砂利敷きの駐車場。ナチュラルな風景造りに。(滋賀県大津市)

植威の外構デザイン~駐車場編~
▲ 元々轍部分のみ洗出し土間があり、その周りに砂利安定材と砂利を施工した例。もともと駐車場2台分だが、来客時に詰めて3台置きたいという要望から、砂利安定剤を提案した。砂利は、異素材との相性が凄くいいのもメリットのひとつ。

石貼り

石は、綺麗に敷くと重厚で品があります。芝目地等を入れつつ少しラフに敷くと、ナチュラルな雰囲気になります。また、石の種類により洋風になったり和風になったりはしますが、御影石などでも錆びが入ったものを混ぜて、ナチュラルなお庭に仕立てる事が多いです。基本的には手に入りやすい石を、使いやすい価格でご提案したいと考えていますが、駐車場全面となると面積も大きく、なかなかお手軽とは言えません。

ラフスタイル

砂利、芝、クローバーなどで、超ナチュラルに仕上げる方法です。車を停める部分には砂利などを敷いておいて、周りにはクローバーや芝の種などをまいておきます。次第に、砂利と植物が入り混じり、轍が出来、地面が落ち着いていきます。クローバーは冬でもグリーンですし、タイヤで踏んでも枯れません。落ち着くまでに2~3年かかりますが、費用はあまりかかりません。しかし、周りがしっかりと舗装しているような街中や住宅街ではちょっと難しいかもしれません。おおらかな環境で、道にタイヤの跡がついたり車に土が入ったりするくらい気にしない、ナチュラルでラフな感じが好きだという方でしたら、検討してみてもいいと思います。ちなみに、植威の駐車場は、このラフスタイルです。

植威の外構デザイン~駐車場編~
▲ 3年程経ってすっかり落ち着いた駐車場。(滋賀県大津市)

少しアレンジバージョンで、轍の部分だけ砂を混ぜたモルタルで作ってしまって、あとは芝生というのもあります。緑の多い駐車場は、目にも優しく、道行く人の心も和ませているのではないでしょうか。

植威の外構デザイン~駐車場編~
▲ 駐車場も庭の一部の風景として。(滋賀県大津市)