コラム

「空間に絵を描かせてもらっている様なもんや。」

生前、師匠であった私のお爺さんが作庭する時、よくこんなことを言っていました。
それに、「デザインも大事やけど使い勝手も良くないとあかん。」とも。全く、その通りです。

当然のことを言っているので、若い頃は「そりゃ、そうだ。」と思って聞いていました。しかし最近、お爺さんの言葉の数々を思い出し、身に染みて「ホントにそうだなぁ。」と感じる事が多いです。
当然の事を、当然のようにするには、案外難しく、どこか無理していたり、肩に力が入ってしまっていたり、広い視野で物事を見れていなかったりする。そして、そういう時は、大体うまい絵が描けません。

いつも一緒ではない、造園・空間造りという仕事は、知識や経験以外にも、感性や、想像力が必要です。
お爺さんは、年に一度は海外旅行に出かけていました。年をとっても、いろんなものを見ようとする人でした。言葉は少なかったですが、そこにはいつも、本質があったように感じます。

お客様のお庭に対する思いは様々で、思い出の風景地、故郷。ライフスタイルなど、夢と希望がすごく庭に向けられているといつも感じます。
その思いを現実に形にしていく仕事ですので、難しいがやりがいがあります。

家も庭も、経年でよく馴染む風景は見ていてほっとします。

私たちが拠点を構える滋賀県大津市から全国へ。そんな風景が、どんどん増えていけばいいですね。

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Takefumi Ueki

Takefumi Ueki

植木威文(造園家、一級造園技能士) 2010年から植威の代表として、京都・滋賀を中心に日本庭園はもちろん、イングリッシュガーデンの考え方を取り入れたローメンテナンスで自然な風景の庭の施工や、庭園管理を行っている。 趣味はディジュディドゥ(世界最古の木管楽器と言われている)演奏、山菜採りなど。